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 イベント

日本の若手研究者と専門家が将来の水政策、事業、研究について討論

2018年7月22日

東京

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水政策・事業・研究に関する討論セッションの参加者と登壇者 (写真クレジット:岐阜大学丸谷靖幸特任助教)

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  • 世界の水問題の解決に向けて、日本の若手研究者や専門家はどのように貢献できるでしょうか。2018年7月22日、世界銀行水グローバルプラクティスの小西徹シニアエコノミストおよび世界銀行防災グローバルファシリティ(GFDRR)東京防災ハブの竹本祥子・防災(DRM)専門官は、水行政・水ビジネス・水研究連携に関する若手研究者・若手実務者討論会に参加しました。セッションは水文・水資源学会若手会によって企画され、学会の30周年記念イベントの一環として行われました。

    東京大学で開催されたイベントでは民間セクター、国際開発機関、学術界からの登壇者が各自の専門的見地から水に関連する主要なテーマについて概論を述べた後、若手研究者や専門家とグループ討論セッションを通じて意見交換を行い、水分野における官民学連携をめぐる新しいアイデアについて活発な意見交換を展開しました。みずほ情報総研の山本昂氏は特に環境・社会・ガバナンス(ESG)投資の観点より、民間企業における水問題解決の取組について発表しました。世界銀行の小西エコノミストは、メコンデルタ、アフガニスタン、パキスタンにおける水資源管理に携わった自身の経験を基に、世界各国における水の安全保障の制度化に向けた世界銀行の取り組みを紹介しました。東京大学の山崎大准教授は、全球水動態モデルに関する先進的な研究について発表し、また高度な研究成果をさらに現場で活用・実践できる水管理ソリューションの創出につなげるための、国際的な官民セクターを含む様々なステークホルダーとの提携の展望を発表しました。

    長年、世界銀行で水の専門家として活動する小西エコノミストは、プレゼンテーションの最後に、若手研究者に向けて、次のメッセージを送りました。

    「開発には『レシピ』はありません。それゆえに、多様な専門分野にわたるチームと協力し、それぞれの国や地域の異なる水問題の背景に即したソリューションの理解と特定に努めることが肝要です。これを実現するには、民間部門、公共部門、学術界、および世界銀行などの国際機関との協力が必要不可欠です。気候変動、総合水資源管理、ダムの安全管理、国境を越えた水問題、水媒介性の感染症、災害レジリエンスなど、近年浮かび上がってきた様々な問題には、こうしたパートナーシップはさらに重要性を増しています。しかし何よりも、複雑な水問題へ立ち向かう鍵を握るのは、それぞれの仕事と研究に対する情熱です。奥が深く、刺激的な分野である水問題の解決に向けて、私たちがこれからも共に協力できることを願っています。」