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プレスリリース 2019年4月11日

世界銀行、対アフリカ人的資本計画を発表

ワシントンDC、2019 年4月11日 – 世界銀行は本日、アフリカ諸国が目指す人的資本の向上を支援する「対アフリカ人的資本計画」を発表した。同計画は、アフリカの若者が良好な健康状態を維持しつつ成長し、デジタル化が進むグローバル経済の中で活躍できる適切なスキルを身に付けることを目的としている。

世界銀行は、「人的資本指標(HCI)」を設けて次世代の労働者への投資の状況を国別に評価しているが、サブサハラ・アフリカは、世界銀行が定義する6地域の内、HCIのスコアが最も低い。その背景には、同地域の高い死亡率・発育阻害率に加え、不十分な学習効果が挙げられるが、これらはいずれも経済的生産性を直接左右する要因である。 

対アフリカ人的資本計画は、HCIのスコア向上を支援するため、アフリカ地域が2023年までに達成すべき意欲的な目標を掲げている。具体的には、子供の死亡率の大幅削減(数にして400万人)、1,100万人の子供の発育阻害予防、男女合わせた学業成績の20%向上を目指す。こうした目標を達成することで、アフリカの人的資本指標スコアは上昇し、次世代の生産性を13%向上できると見られる。

「子供が潜在性を発揮できない状況は根本的に間違っているだけでなく、次世代の労働者の人的開発を阻むという観点からも、潜在的経済成長を損ねていることになる。誰もが健康で、未就学時から中等教育に至るまでの期間に質の高い教育を受けることができれば、サブサハラ・アフリカの労働者一人当たりのGDPは2.5倍まで高まるだろう」と、ハフェズ・ガネム世界銀行アフリカ地域担当副総裁は、世界銀行・IMF春季会合における同計画発表の場で述べた。

同計画はまた、女性のエンパワーメントを通じ、児童婚や若年妊娠の回避も目指している。「サブサハラ・アフリカの青年期女子の出産率は、女子1千人につき102と、南アジア地域の3倍も高くなっている。この事実は、母子双方を不利な立場に追い込むだけでなく、経済成長にもマイナスの影響を及ぼす。」とガネム副総裁は述べた。

世界銀行は次の予算にアフリカの人的資本への投資50%拡大を盛り込む予定である。具体的には、2021~23年度に、アフリカの人的資本プロジェクトに対する新規グラント及び譲許的融資として総額150億ドルを準備し、人的資本開発の構造的制約を解消するため戦略的に投入していく。同時に、最新のテクノロジーとイノベーションを駆使して、脆弱・紛争国における人的資本への悪影響を回避・解消するような革新的支援を提供する。

世界銀行は既に、国民への投資の質と量を拡大する新戦略を策定した国々への支援に着手している。域内人口の60%を占める23のアフリカ諸国が、世界全体で約60カ国が参加している人的資本プロジェクトに加わり、人的資本への一連の投資を加速することにコミットしている。

「人的資本プロジェクト参加国は、伝統的パラダイムから脱却し、国民への投資を優先課題と位置付け、各世帯が人的資本形成を可能にする適切な環境を確保できるよう、政府内でこれまで以上に協調して取り組んでいる。」と、世界銀行のアネット・ディクソン人間開発担当副総裁は述べた。


プレスリリース番号: 2019/067/AFR

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